社説

摘発強化の一方、自己防衛を 後を絶たない振り込め詐欺


 振り込め詐欺の被害が急増している。高齢者らを狙い、子や孫を思う心理に付け込み現金などをだまし取る卑劣な犯罪は断固として許してはならない。  老後の生活資金や趣味のための蓄えを奪われては元も子もない。そのためには「自分だけは大丈夫」とする過信が最も危険だ。お年寄りも、さまざまな手口を学び自己防衛に役立ててもらいたい。  県内の振り込め詐欺事件は、2004年の1298件、被害額約20億円をピークに減少、昨年は303件約5億円で04年以降最少となった。しかし、今年に入って傾向が一転、2月に急増し6月以降も増加の一途をたどっている。9月下旬、千葉市内の高齢者夫婦に息子を装った男から電話があり、代理人を名乗る男に1千万円を渡してしまった。また、今月初旬、市川市内の高齢者女性に長男を名乗る男から電話があり、その後、自宅を訪れた20歳ぐらいの男に現金1800万円を渡した。こうした「手渡し型」も後を絶たず県警には摘発強化が求められる。  従来の「オレオレ詐欺」に加えて目立つのが「警察官かたり」。警察官役と銀行員役の犯人が連携し、「カードが悪用され現金が引き出された」「被害は補償する。口座は解約した方が良い」などと言葉巧みに高齢者を惑わせキャッシュカードを持ち去るもので、昨年に比べて件数、被害額が増えている。  11月末までは、振り込め詐欺や特殊詐欺を撲滅するため、取り締まりと予防活動の推進期間だ。県内でも、高齢者を重点に、移動交番や地域での会合、病院など、あらゆる機会を通じて防犯講話などを行い被害防止に努めていくという。  狙われる側も警戒心を持たねばならない。身近に多額の現金を置かない、ATM(現金自動預払機)の引き出し限度額を低めに設定する、子どもや孫から携帯電話の番号が変わったと言われても従来の番号に必ず連絡し確認する、家族と日頃から連絡を取り合い絆を深める-は自衛手段の一つとなろう。そして、怪しい電話が来たら迷わず110番通報してほしい。  このほか、携帯電話や金融機関の口座などを詐欺グループが悪用できないよう、警察、金融機関、行政など関係機関の緊密な連携も今以上に求めたい。
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