新春はめで“タイ”ということで、企画の第1回はマダイを取り上げた。料理は素材のよさを堪能できる本格の塩焼きだ。
映画と写真評のほか、釣り欄を担当する記者は毎週月曜日、40件近くの釣り宿(内湾・内外房)情報を収集している。この時期、大原沖などでは、2キロほどの丸々と肥えた大物をはじめ、良型マダイが数釣れているという。口贅沢(ぜいたく)は釣るより食べることで頭がいっぱいになり、生ツバが出てくる。
ふつうの家庭で夕食のおかずにそんな高額な船釣り経費を張り込めないが、25~30センチクラスを安価で購入できればラッキー。尾頭付きがでんとのると、お膳(ぜん)はとたんに豪華けんらんとなるのである。
まだ、プツプツと桜色の皮のはぜる音がする。脂肪に富んだ脇腹の薄身に、遠慮なく紫檀(したん)の箸(はし)を入れた。ふっくらとした淡泊な身が骨からパラリと外れ、白い湯気を上げたまま口中へ。最初に塩気がきて、次に天然の好味が広がる。ユズなど柑橘(かんきつ)系をさらりと搾って味を変えるも、また楽し。外房の王様の味で“寿酌”。
【材料】
マダイ1匹(30センチ程度)、塩適宜。
【作り方】
(1)市販のウロコ引き、または包丁の背などでウロコを取る。
(2)エラを取り、右脇腹に切れ目を入れ、ワタを取り除く。
(3)腹の中を流水で洗う。中骨に付いている血合いもきれいに洗い、ペーパータオルなどで丁寧に水気をぬぐう。
(4)塩を手に取り、30センチほど上方からまんべんなくふり、胸びれ、尾びれに化粧塩を付ける。
(5)強火の遠火がベストだが、家庭では魚焼き器などの中火で20分ほど焼く。