魚食堂

体中に染み渡る満足感 ブイヤベース


 記録的な猛暑がうそのよう急な寒さに、早くも風邪が流行の兆しだ。こんな時は体のしんから温まるスープがよい。

 ブイヤベースは仏・マルセイユが本場とされる漁師料理。網に残った小魚を煮て作ったのが始まりだそう。シャンソン歌手・石井好子さん(1922~2010年)が、エッセー「東京の空の下オムレツのにおいは流れる」(暮しの手帖社)に本場で食した感想を残す。「今まで口にしたことのない素晴らしい味(中略)充実した満足感がからだじゅうにしみわたった」

 拙宅も負けてはいられない。秋田産ワタリガニ、エビ、タラ、アサリなどと食材をぜいたくした。スープを一口ふくむと、サフランの香りが鼻に抜ける。続いて舌が海のエキスの混然一体に喜ぶのだ。体の内からポカポカと温まり、これは“燗酌”の造語となる。

 【材料(2人分)】

タラ1匹、ワタリガニ2匹、エビ6匹、アサリ100グラム、雑魚(ワカサギ)300グラム、タマネギ1/2個、トマト中1個、ニンニク1片、ローリエ2枚、サフラン2グラム、白ワイン200ミリリットル、オリーブオイル大さじ5、水800ミリリットル、塩・コショウ適宜。

 【作り方】

(1)鍋でオリーブオイルを熱し、刻みニンニクを香りが出るまで炒(いた)める。雑魚、タラのアラ、スライスしたタマネギ、湯むきしたトマト、白ワインを入れ、軽く炒める。

(2)(1)に水を加え、沸騰したらアクをとり、ローリエ1枚、サフランを入れて約10分煮て、こしておく。

(3)鍋にアサリ、ワタリガニ、白ワイン大さじ3(分量外)、ローリエ1枚を入れ、アサリが開いたら(2)のスープ、ぶつ切りにしたタラ、エビを加え、塩・コショウで味を整える。


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