これは長崎五島にあった本当の話。大正十二年のこと。
男は十九で従妹を嫁にもらい、子供も出来た。名前は弥吉。
その何年後、弥吉の隣家に村でも評判の働き者、気立てもいい娘が嫁に来た。名前はおハル、十八歳。その男と女は隣同士になった。
おハルには十人の子供ができた。貧しい生活。そんな折、おハルの夫は山で足をけがして、その傷が元で生涯を閉じた。そのときおハル三十八歳。
そして敗戦。畑と磯の仕事で一家を支えた。
それから二年目、弥吉の女房も病死した。
さあ、この男と女はどうなるか。波乱万丈を乗り越え、愛ひとすじの話となる。
原作、今井美紗子。題名「彼岸花」。脚色、岡崎柾男。
私たち朗読劇れもんの会では、このむずかしい内容をいかに表現するか、伊藤彰子先生指導のもとで稽古中である。
この台本をもらったとき、弥吉とおハルの恋愛に賛否の声が上がった。「子供が何人もいるのにイヤだ」「母親らしくしてもらいたい」「でもお互い連れ合いが死んだのだからいいでしょう」「不潔だ」「純粋だ」「いい年をして」「幾つなら異性を愛していいのか」「夫以外の男性をステキと思ったことはあっても、子供を置いてまで愛する勇気はない」などと両論が出た。
ところが練習を重ねて読み込んでいくうちに、そして並行して原作を読んでいるうちに、皆の気持ちは一つになった。好意をもっておハルと弥吉を応援するようになった。
発表会は東京銀座十字屋ホール。十一月二十一日(土)千葉支部のほか、春日部支部、船橋支部、市川、中野、銀座、横浜、そのほか各支部が集まる。...
このあと十二月六日(日)にも千葉市生涯学習センター主催、まなびフェスタで別の作品を発表する。