私の小倉台日記

■プロフィール
勝山朗子(かつやま・あきこ)
  小説家、エッセイスト。房総文化懇話会会員。文学サークル『槙』同人。共著に『千葉児童文学選集』『槙・文学選集1・2・3』『何がそんなに…』など。千葉市在住。


私の年になりゃあ分かるよ


 近所のスーパーの中に薬局がある。私はその薬局で院外処方の薬をもらったり、サプリメントや化粧品を買ったりする。

 なので年に何回か、化粧品の専門員が顔のマッサージをサービスしてくれる。あまり化粧品を買わないのに申し訳ないような気持ちで鏡の前に座る。いまさら、皺(しわ)だらけの顔を手入れしてもらうのは照れくさい。でも年を取ってもそこは女心、少しはましになるかなぁと希望をもつのである。

 マッサージを始める前に肌の状態を診断してくれる。コードのつながっている機械の先を頬に当てると、液晶画面いっぱいに私の肌が写る。「乾燥していますね」と毎回言われる。乾燥していると皺が出来やすい。「でもキメが細かいですねぇ」とこれも毎回感心したような声。(ま、商売だから何か一つくらいは褒めなくてはね)と私は内心思う。でも、分からない。こんなに皺だらけなのにキメが細かいとは?しかし皺とキメとは別のものなのだそうだ。

 マッサージを終わって帰宅する。夫に「どう?」と顔を近づけると「うん、まぁ」という返事。そして「どうすると、そんなに皺が出来るの?額は横に、鼻の下は縦に、目じりは斜めになっているよ」と無神経なお言葉。

 昔、母が結婚前の私の顔を見て言っていた。「若い人はいいわねぇ、皺がなくて」と。それを思えば結婚後に出来た皺ではないか?

 ま、シワも人間形成のひとつと思うことにして、失礼な言葉も許してあげましょう。

 結婚当初、勤めに出る前に化粧をしていた私に向かって夫は言った。「何で化粧するんだ?おふくろは化粧なんかしたことないぞ」と。確かに義母の肌は色白できれいだ。しかし、どうして親を引き合いに出すのか、と私はひどく傷ついたものだ。

 そして現在、私の皺を見て夫は「皺をとるクリームはないの?」と言うほどに変化した。よほどどうにかならないものかと思っているらしい。...


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