私の小倉台日記

■プロフィール
勝山朗子(かつやま・あきこ)
  小説家、エッセイスト。房総文化懇話会会員。文学サークル『槙』同人。共著に『千葉児童文学選集』『槙・文学選集1・2・3』『何がそんなに…』など。千葉市在住。


手すりとステッキ


 ここ小倉台は団地が出来てから四十年になる。従って公園の桜も四十年経ち大木になった。特に四丁目公園の桜は見事だ。

 四月三日(土)と四日(日)は桜まつりと称して、屋台が出て賑わった。三日は暖かかった。子供達ははしゃぎ回り、私たち老夫婦のようにベンチに腰掛けて花を眺める者がいたり、若い人たちはアイスクリームを舐めながら歩いたり、青い空に満開の桜が映えて穏かな時が過ぎていた。

 ところが四日は小雨で肌寒い。しかし咲き始めたばかりの花は、しっかりと小枝にしがみついていた。夜になってから吹いた風にもめげず、花々は付いていた。しっかりと。

 突然、初夏のような陽気になる。と思えば今日この原稿を打っている時はやっと十度。いくら花冷えとはいえひどすぎる。骨身に凍みるではないか。

 骨身に凍みる寒さは三月にも何日かあった。若ければ撥ね返すであろう寒さも、この一年は撥ね返す力がなくなり体の中に取り込んでしまう。カイロを二つ貼っても効き目がない。従って腰、股関節、膝、と複数が痛み、痛み止めを飲んでも効かない。

 彼岸の墓参りにはステッキを使った。勝山家の墓は茂原市の由緒ある蓮福寺。その坂を上がった高い所にある。上りながら亡き義母が「墓参りもこれが最後になるねぇ。容易じゃないよ」と言っていたのを思い出した。

 行きつけの整形外科で、どれ程痛いかを手帳を取り出して「いつといつ」「どこが」「どんなふうに」などと説明する。先生は「すぐレントゲンを撮っていらっしゃい」と指示。レントゲンを撮って、さっそく説明を受ける。「これでは痛いでしょう」と軟骨が磨り減ってしまっている関節を指して言われた。

 では、どうすれば痛みのない生活が送れるのか。「痛いときは安静に」とのこと。それはむずかしい。主婦は安静なんかしていられない。仕方なく痛み止めの飲み薬と座薬を今までより多くもらって帰る。先生の「これが効かなくなったら手術です」の言葉を深く胸に入れながら。・・・


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