私の小倉台日記

■プロフィール
勝山朗子(かつやま・あきこ)
  小説家、エッセイスト。房総文化懇話会会員。文学サークル『槙』同人。共著に『千葉児童文学選集』『槙・文学選集1・2・3』『何がそんなに…』など。千葉市在住。


漢字は面白い


 漢字のクロスワードを解くのが好きだ。数字のパズルには興味がない。数字が苦手で引き算が出来ないからだ。まず隣から十借りてくると、もういけない。考え込んでしまう。結局、解けないから数字はきらいだ。

 その点、同じ考えるにしても漢字は面白い。例えば「とう」という字を使いたいとする。「とう」という字は、党・島・当・藤・灯・倒・統・など七一個もある。クロスワードの場合、一番ぴったり合った文字を探し出し、それが前後左右の言葉と適したときは快感だ。思わず「やったぁ」と声を上げる。

 先日のパズルでは「ぶとうかい」という文字を入れるところまで辿り着いた。「舞い、踊る、会」だと思ったが、ほかのマスと文字が合わない。ほかのマスは「前、人」だけ出来ている。「未、踏」と続くのだと思ったが、先のマスと繋がらない。「ぶとうかい」の「とう」は「踏む」という字だったと気付いたときは散々手間取った後だった。単に私の勘違いだったのだが、だから漢字は面白い。

 「私の小倉台日記」を書くときはパソコンで打っている。原稿に使う言葉や漢字は、共同通信社の「記者ハンドブック」と首っ引きである。私がよく間違うのは「いろいろ」という字。「色いろ」と書きたいところだが「いろいろ」と使うことになっている。何を使って、何を使わないのか、覚えてしまうしかない。もう身についてしまって私が絶対に使わない字は「誰」「有る」「有り様」「嬉しい」「挨拶」「あの人達」などである。面白いのが「御」という字で、「お」と発音する場合は「御」と書かずに、かなで「お」と書く。また、「ごめんなさい」「ご飯」と「ご」の発音でも、かなで書く。じゃぁ、どういうときに「御」の字を使うかというと「御用聞き」「御所」「御用達」なんだそうだ。「御」と書けば「おん」とも読むのに、ああ難しい。そうそう、この「むずかしい」という字は、かなで「むつかしい」とも書く、とハンドブックにあった。

 新聞用語のほかに常用漢字というのがあって、これがまた、ややこしい。このごろは「新常用漢字表」などと新の字をつけたりして、なおさらややこしい。以前はダメと言われた「猫」の字も今はちゃんと仲間入りして次第に字数が増えてきた。「勾」「埠」の字も仲間に入れるかどうか検討中だそうな。


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