私の小倉台日記

■プロフィール
勝山朗子(かつやま・あきこ)
  小説家、エッセイスト。房総文化懇話会会員。文学サークル『槙』同人。共著に『千葉児童文学選集』『槙・文学選集1・2・3』『何がそんなに…』など。千葉市在住。


今日は何日?


 テレビの横にある棚にデジタルの電波時計があり、時間と月日、曜日、室内温度が表示されている。それを見て今日が何日であるか確認するのが、ひとつの手立てである。

 もう一つの方法はテレビの番組だ。「ゲック」という言葉がある。「月曜日の夜九時」の略であって、今一番人気のある俳優や女優が出るドラマを放送するゴールデンタイムのことだ。そう知ってからゲックを見るようになったのだが、現在放送中の小栗旬が出る刑事ドラマはとても面白い。で、その番組のある日は月曜日、と覚えているから大丈夫だ。

 翌日は「昨日、旬くんを見たから火曜日」だと分かる。その翌日は夫がデイサービスに行く日だから水曜日である。しかし、その翌日あたりからは、あやふやになる。

 夫婦二人で今日は何日の何曜日であるかを、当てっこしながら確認している毎日だ。

 介護保険の認定調査のために来た調査員が、私や夫に「今日は何日ですか?」と質問をした。夫が寝ている寝室での質問だったので、さぁてデジタル時計がない。私はソラで考えるが、夫は大胆にもしっかりとカレンダーを見て答えた。間違ってはいたが。

 「では、ここはどこでしょう?」の質問に、私は住所を言った。だって、私の家へ来ているのだから「私の家です」などという当然の答えではないはずだ。しかし夫は「うちです」と答えて「はい、そうですねぇ」と若い女性の調査員は笑顔で応じている。

 「では今の季節はいつですか?」と聞かれ、夫は冬だと答え、私は秋だと答えた。調査員の笑顔は、どちらの答えも正しいと認めてくれているようだった。


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