テレビの横にある棚にデジタルの電波時計があり、時間と月日、曜日、室内温度が表示されている。それを見て今日が何日であるか確認するのが、ひとつの手立てである。
もう一つの方法はテレビの番組だ。「ゲック」という言葉がある。「月曜日の夜九時」の略であって、今一番人気のある俳優や女優が出るドラマを放送するゴールデンタイムのことだ。そう知ってからゲックを見るようになったのだが、現在放送中の小栗旬が出る刑事ドラマはとても面白い。で、その番組のある日は月曜日、と覚えているから大丈夫だ。
翌日は「昨日、旬くんを見たから火曜日」だと分かる。その翌日は夫がデイサービスに行く日だから水曜日である。しかし、その翌日あたりからは、あやふやになる。
夫婦二人で今日は何日の何曜日であるかを、当てっこしながら確認している毎日だ。
介護保険の認定調査のために来た調査員が、私や夫に「今日は何日ですか?」と質問をした。夫が寝ている寝室での質問だったので、さぁてデジタル時計がない。私はソラで考えるが、夫は大胆にもしっかりとカレンダーを見て答えた。間違ってはいたが。
「では、ここはどこでしょう?」の質問に、私は住所を言った。だって、私の家へ来ているのだから「私の家です」などという当然の答えではないはずだ。しかし夫は「うちです」と答えて「はい、そうですねぇ」と若い女性の調査員は笑顔で応じている。
「では今の季節はいつですか?」と聞かれ、夫は冬だと答え、私は秋だと答えた。調査員の笑顔は、どちらの答えも正しいと認めてくれているようだった。