従兄弟とはいいものだ。姉妹とも違うし幼なじみとも違う味がある。血がつながっているというだけで、親密な気持ちになるから不思議だ。
その従兄弟たちと四年ぶりに会うことになった。岐阜県での葬式以来だ。父の弟の子供たちで、男ばかり四人、奥さん同伴で岐阜県中津川市から来た。
さて、その待ち会わせ場所だが、あちらはライトバンで中津川の家を早朝に出るので十二時半ごろ千葉駅で会おうと言う。四人兄弟のうち一人が東京の病院で診察を済ませてから電車で来るから、千葉駅が良いそうだ。
とんでもない、千葉駅で待ち会わせなどできるものではない、私は慌てた。「どうして?駐車場がないのか?」岐阜県のイントネーションでゆっくりと聞かれる。タクシーは五万と停まっているけれど、そこに個人の乗用車が停まったら追い出されるだろう、と答える。大体、十二時半と決めても渋滞があれば時間通りに着かないだろうし、病院の診察も予定通りに進むかどうか。千葉駅の表口は絶対にだめ、迷子になってしまう。「じゃあ裏口なら迷子にならないね?」と電話で笑っている。
カーナビに入力するために千葉駅改札口の正式名称を後で知らせる、と電話を切った。インターネットで調べると「三越側」「弁天側」と出ていた。おまけに三越側を「東口」、弁天側を「西口」とも書いてあるではないか。その上「西口は工事中」ともある。そうだ、そうだ、確かに工事中だ。だから弁天側は西口なのだ、と私は思い込んだ。
従兄弟たちを迎える千葉群は、私と妹ふたりの三人だ。私の確信をよそに末の妹は「えぇ?うそだぁ。どうして西じゃないのに西口っていうのぉ?」と完全否定。そして千葉駅の偉ぁい人に聞いたそうで、それこそ本気で確信をもって言った。「千葉駅から『弁天側』へ行くには東口の改札口を出て駅ビルの中を左へ左へと歩いて行くのですって」。分かった。「なに口」とは言わずに「弁天側」と言えばいいのだ。
それにしても「なに口」と言わない千葉駅だなんて、不便ではないか?こう思うのは私だけだろうか。私以外の人は待ち会わせが速やかにいっているのだろうか。
やっと気を取り直してカーナビには「弁天側」と入力してもらうことにした。
私たち三姉妹は千葉みやげに落花生やバターピーナッツなどを用意し、お昼食のレストランの席を予約して、うきうきとその日を待った。
岐阜勢は三泊四日の房総の旅だそうで、まず最初に私たち父母の墓参りを予定してくれている。神道である父母に妹はサカキや酒を用意した。従兄弟は中津川の水や米まで持ったと言う。・・・