御木平輔のミュージカルランド

■プロフィール
 御木平輔(みき・へいすけ) 音楽専門誌「ミュージックフォーラム」編集代表。主な著書は『ミュージカル手帳』(心交社)、「宝塚歌劇名作・傑作全演目事典平成編(講談社)、「新ミュージカル手帳」(心交社)、「ひばり模様」(七賢出版)など多数。南房総市千倉町のかやぶき屋根の家に住んでいる。


階級社会の落とし子、双子の悲劇 「ブラッドブラザーズ」


左から武田真治、鈴木亜美、岡田浩暉。9月27日まで日比谷・シアタークリエで上演中。ただし、双子役は藤岡正明・田代万里生に交代

 英国で25年以上も上演中の作品(作・作詞・作曲=ウィリー・ラッセル、演出=グレン・ウォルフォード)だ。双子とは知らずに育った兄弟が、出逢い、あまりにも違う家庭環境のせいで、悲劇的なラストを迎える。英国に横たわる階級社会、その貧富の差が引き起こす悲惨さを描いた笑いと涙の好舞台。貧しい方の双子を演じた武田真治、屈折した演技が出色。ダメ男を演じたらピカイチだ。もう一方の岡田浩暉は真っすぐな演技が好感。2人に愛される鈴木亜美も初々しい。上流階級と下流階級を傾斜した八百屋舞台で描写した松井るみの美術は特筆。重いテーマを、歌のオブラートで包む手法が心憎い。


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