御木平輔のミュージカルランド

■プロフィール
 御木平輔(みき・へいすけ) 音楽専門誌「ミュージックフォーラム」編集代表。主な著書は『ミュージカル手帳』(心交社)、「宝塚歌劇名作・傑作全演目事典平成編(講談社)、「新ミュージカル手帳」(心交社)、「ひばり模様」(七賢出版)など多数。南房総市千倉町のかやぶき屋根の家に住んでいる。


童話に潜む欲望と本能 バラの国の王子(宝塚・月組) 零れ落ちる野獣の哀しさ


 副題に~ボーモン夫人作「美女と野獣」~とある。ディズニーミュージカル「美女と野獣」(1994年)よりもジャン・コクトーの映画「美女と野獣」(1946年)に近い。さらに、今回の脚本・演出の木村信司は、ボーモン夫人の原作の源であるギリシャ神話「プシュケとアモール(魂と愛)」の恋物語まで踏み入り、それを隠し味にしているので、わかりやすく、かつ深みのある作品に到達したといえる。ちなみに美女はプシュケ、野獣はアモールにあたる。

 バラの王国。王妃(花瀬みずか)の妹(彩星りおん)は魔力で王(龍真咲)を暴君にし、姉を追い出し、新しい王妃として君臨。その上、姉の子の王子を魔法で野獣(霧矢大夢)に変えた。一方、城下には三人娘を持つ商人(越乃リュウ)がいた。上の娘たちは遊び好きだが、三女のベル(蒼乃夕妃)は働き者で本好きな器量良しだ。ある日、新しい王(龍の二役)が家来(青樹泉)を引き連れ、ベルに求婚。ベルは父の世話をしたいと断る。商家は破産。商人は裁判の帰りに森で迷い不思議な邸に辿り着く。邸には魔法で動物に変えられた虎(明日海りお)や猿(桐生園加)などの家臣たちがいた。翌朝、商人がベルのお土産にバラを手折ると、雷鳴がとどろき、野獣が出現。野獣はバラを折った償いに娘を寄越すように命令。ベルが父の身代わりとして邸に赴く。娘が来ることなど想定外だった野獣は激しく動揺。家臣たちがベルに会うように勧めるが、醜い姿なので嫌われるのではないかと躊躇。やがてベルは野獣の愛に目覚めるのだった。

 序曲から力強い。幕が開くと家臣や群集の燕尾服がズラリ、圧巻。歌(作曲・長谷川雅大)とダンス(振付・竹邑類/麻咲梨乃)で野獣変身譚が綴られ、お見事。...

 【メモ】東京宝塚劇場で5月29日(日)まで絶賛上演中。問い合わせは東京宝塚劇場(電話03-5251-2001)。


ミュージカルランドの記事全文は紙面をご覧ください。 千葉日報を購読する

千葉日報ご購読お申し込み

当ホームページの記事、画像などの無断転載を禁じます。すべての著作権は千葉日報社および情報提供者に帰属します。

Copyright (c) CHIBA NIPPO CO.,LTD. All rights reserved.