帝国劇場開場100周年「レ・ミゼラブル」の一場面。群集が主役のミュージカルであるが、主要な役は複数の役者が演じているのも特色のひとつだ。この写真では、手前右が山口祐一郎(バルジャン)、手前左が中山エミリ(コゼット)、中央が上原理生(アンジョルラス)。
台詞なし、オペラ仕立ての名作ミュージカル「レ・ミゼラブル」が英国で誕生したのは1985年。日本初演は1987年だ。英国では上演25周年を機に、新演出を採用したため、日本でのオリジナル演出(ジョン・ケアード&トレバー・ナン)は、今演が見納めである。そんな折、吉原光夫32歳が最年少でジャン・バルジャンを初めて演じ、花を添えている。
≪19世紀はじめのフランス。妹の子供のために一切れのパンを盗んだジャン・バルジャン(吉原光夫)。彼は何度も脱獄を重ねた罪で19年間(原作者ヴィクトル・ユゴーも同じ年月、亡命の憂き目に遭遇)も牢獄に繋がれた。やがて仮出獄。それも束の間、彼は教会から銀の皿を盗んで見つかる。しかし司教は更に銀の燭台をもバルジャンに分け与える。バルジャンの荒んだ心はその慈悲に触れ目覚めるのだった。他人のために何かしようと新しい人生を歩み始める。彼は名前を変え、市長にまでなる。が、ジャベール警部(岡幸二郎)の執拗な追跡劇が待っていた。バルジャンは惨めな女工ファンテーヌ(和音美桜)の遺児コゼット(中山エミリ)を、がめつい育ての親のテナルディエ夫妻(三波豊和、森公美子)から引き取り、パリへと旅立つ。そこは革命の嵐。アンジョルラス(上原理生)が率いる学生たちは街をバリケ-ドで封鎖し、市民の一斉蜂起を待つ。その仲間の一人マリウス(原田優一)に恋心を抱くのは、あのテナルディエ夫婦の娘エポニーヌ(平田愛咲)だ。だが、マリウスは街中でコゼットと一目逢うなり恋に落ちる。バルジャンは年頃の娘に成長したコゼットを心配し、マリウスの素性を探るためにバリケードへと赴く。そこには浮浪児ガブローシュ(加藤清史郎)にスパイだと見破られ、処刑寸前のジャベールがいた。が、バルジャンは彼を逃がすのだった…。かつてないほどの慈悲にジャベールの心は激しく波立つ。…ほどなくマリウスは銃撃戦で負傷し意識を失い、バリケードは落城。ほとんどの若者たちは戦いで散った。ジャベールも自ら命を…。ひとり生き残ったマリウスは彼らのことが頭から離れない。そんな時、彼の命を救ったのがバルジャンだとわかり、取るものも取りあえず愛するコゼットと共に彼の元へと急ぐのであった…≫
【メモ】6月12日(日)まで帝国劇場で絶賛上演中。問い合わせは東宝テレザーブ(電話03-3201-7777)。