御木平輔のミュージカルランド

■プロフィール
 御木平輔(みき・へいすけ) 音楽専門誌「ミュージックフォーラム」編集代表。主な著書は『ミュージカル手帳』(心交社)、「宝塚歌劇名作・傑作全演目事典平成編(講談社)、「新ミュージカル手帳」(心交社)、「ひばり模様」(七賢出版)など多数。南房総市千倉町のかやぶき屋根の家に住んでいる。


死をも恐れぬ究極の愛 アイーダ(劇団四季)オーラ放つ濱田めぐみ


濱田めぐみ(アイーダ) 撮影:下坂敦俊 (C)Disney

 アジアとアフリカの境目にある運河といえばスエズ運河。19世紀半ば過ぎに開通。その完成を祝って作られたのがヴェルディのオペラ「アイーダ」。囚われの身の王女アイーダとエジプトの将軍の悲恋のドラマで人気が高い。また、この「アイーダ」を題材にしたオリジナル作品もとても多いのだ。宝塚版「アイーダ」や野田秀樹の「野田版愛陀姫」もある。今回紹介するのはディズニー版のミュージカル『アイーダ』(2000年米国初演)だ。作曲はエルトン・ジョン、作詞はティム・ライス。大ヒットミュージカル「ライオンキング」を生んだコンビだ。日本初演は2003年、劇団四季。初演地は東京ではなく大阪だった。九州・福岡を経由し、今秋、満を持しての東京ロングラン公演がスタート。

 ≪古代エジプトの勇将ラダメス(渡辺正)は、賢くて美しい敵国(今のエチオピア)の捕虜を連行。婚約者である王女アムネリス(五東由衣)に献上する。その名はアイーダ(濱田めぐみ)。ほどなく、ラダメスとアイーダは心が通い始めるのだった。実はアイーダは敵国の王女。アイーダは同じく捕虜の身である父王を逃亡させようと画策。ラダメスも逃亡を助けるのだった。国王の脱出は成功するが、アイーダとラダメスは捕えられる。やがてアムネリスは二人を生き埋めにするよう命じるのだった…≫。

 プロローグに趣向が施されている。始まりは現代の博物館での古代エジプト展だ。一つの展示物に惹かれるように集う若い男と女。他人なのに何かを感じる。深い何かを…。やがて、もう一つの展示物に変化が生じる。なんとショーケースから展示物が抜け出し思いの丈を歌いだした。王女アムネリスだ。物語は一挙に古代エジプトへとなだれ込む。現代と古代が一瞬にリンクする印象的なオープニングだ。そしてエンディングで冒頭の現代に戻り見事な円環構造となる。...

 【メモ】新橋・電通四季劇場でロングラン上演中。お問い合わせは劇団四季予約センター、電話0120-489444。


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