御木平輔のミュージカルランド

■プロフィール
 御木平輔(みき・へいすけ) 音楽専門誌「ミュージックフォーラム」編集代表。主な著書は『ミュージカル手帳』(心交社)、「宝塚歌劇名作・傑作全演目事典平成編(講談社)、「新ミュージカル手帳」(心交社)、「ひばり模様」(七賢出版)など多数。南房総市千倉町のかやぶき屋根の家に住んでいる。


想像力かきたてる亜門版 ファンタスティックス(TBS/ホリプロ)


「ファンタスティックス」の一場面。左上から田代万里生、鹿賀丈史、神田沙也加、蔡暁強(中央)。撮影:渡部孝弘。10月31日(日)までBunkamuraで絶賛上演中。問い合わせはホリプロチケットセンター(電話03-3490-4949)

 初演は1960年のオフ・ブロードウェー。とてつもない上演記録を残し2002年にクローズ。脚本・作詞はトム・ジョーンズ、作曲はハーヴェイ・シュミット。日本でも数多く上演されているが、2003年、宮本亜門が手がけた舞台が最高峰。その再々演版だ。少年(田代万里生)と少女(神田沙也加)は恋に夢中、二人の父親は塀(蔡暁強)で交際を禁じる。燃える恋。役者(鹿賀丈史)が現れ少女を誘拐し少年に救出させるという芝居を打つ。実は父親たちの策略。二人は別離…。時過ぎて心に傷を持った二人は再会、愛を知るのだった…。寓話に満ちた作品だがお説教くさくない。シンプルな舞台(松井るみ)、グラデーションを生かした衣装(前田文子)が想像力をかきたてる。鹿賀の♪「トライ・トウ・リメンバー」は奥深い。田代、神田も好印象。台詞のないミュートの蔡暁強が素晴らしい。


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