企業戦線

古民家木材で再生住宅 「古き良き」ニーズに照準 千葉市の近藤商事


建設する古民家調再生住宅の部屋で、古民家の木材を再利用した「小屋組」を見上げる近藤社長=市原市菊間

 建築・不動産業の近藤商事(千葉市中央区)は31日、解体した「古民家(こみんか)」の木材を再利用して市原市菊間に建設したモデルハウス「古民家調再生住宅」を公開する。3年前から取り組む古民家再生事業の一環。資材の値上がりや消費者の低価格志向による収益悪化から脱却するため、団塊の世代向けに特化した新事業で他社との差別化を図り、受注の掘り起こしを目指す。

 同社は2006年、築120年以上の住宅「古民家」のリフォームなどを行う古民家再生事業に着手した。これまで2軒をリフォームし、今回初めて古民家の梁(はり)や柱などの木材を一部に再利用する「古民家調再生住宅」の建設に乗り出した。

 同社の近藤和夫社長は、「多くの古民家に使われているスギやヒノキなど国産の木は、切ってから300年間は“生きた”状態」と説明する。建築材料としてはそれ以上の年数にも耐えられ、再利用でも頑丈な住宅が建設できるという。

 今回は約15年間空き家になっていた築250年の古民家再生に取り組んだ。傷つけないよう手作業で慎重に解体し、職人らでまだ十分に耐久性のある木材を選定。その木材を、再生住宅の屋根を支える骨組み「小屋組」に活用した。趣も重視し、家の中から木材が見えるようにした。

 近藤社長は「日本の気候風土には、外国から輸入された木より、国内で育った木が一番適している」と強調する。しかし近年、国内の一般住宅の約7割には、米国やカナダなど海外から輸入された木材が採用されている。国産より安価なためだ。

 再生住宅には古民家の木材のほか、大多喜町や和歌山県などから仕入れた国産の木材も使っている。輸入木材を使った安価な住宅を低価格志向の客向けに販売する大手企業との差別化で、価格競争を避ける狙い。

 価格は2LDKの平屋建て、延べ床面積約105平方メートルのモデルハウス通りに建てれば約3800万円。市原市菊間地区の一般住宅と比べて割高だが、「古き良き」を大切にする団塊の世代など退職後の夫婦を主なターゲットに、別荘などの購入需要を取り込みたい考えだ。


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