わたしの徒然草

■プロフィール
酒井 登志生(さかい・としお)
  エッセイスト、作詞・作曲家、歌手。房総文化懇話会会員。著書に『ぶっつぁるべえもじな』『わたしの徒然草・田舎の文化人』『わたしの徒然草・オレ、たそがれ』など多数。千葉市在住。


見守られて育つ


 IT時代の人間関係は、一般に「情」が薄いといわれるが、親が子を思い、子が親を慕う親子関係には、いまも本能的な「情」が脈打っていると思う。

 その思いから、おりにふれて市原「平和園」の子どもたちに心を馳せる。

 何度か園を訪ねて、子どもたちと会っているが、親と離れた子どもたちの表情がみな明るい。親恋しさはないのだろうか?だがその疑問はじきに解けた。

 星一男園長先生がお父さん、奥様の星鏡子先生がお母さん、さらにお兄さん先生、お姉さん先生に見守られ、大家族「平和園」の日常の中に、親恋しさの思いが同化され、吸収されているのだ。

 長く続く「手づくりコンサート」も、同化・吸収のワンポイントである。

 第26回のオープニングはハンドベル演奏。けなげな表情の少女らが、しっかり「川の流れのように」を披露する。

 次のプログラムは童謡メドレー。小さい少女、大きい少女の天使の歌声が、会場の笑顔と手拍子を誘う。前列のおチビちゃんが、手話の振り付けで、たのしげに「ふるさと」を歌うと、おばさんたちから「かわいい」という声があがる。

 オリジナルミュージカルの「願いの森」は、ふしぎな声に導かれて、さまざまな願いを持つ人々が集まり、それぞれに願いがかない、喜びの歌やダンスが華やかに展開される。...


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