日報俳壇 篠崎青童選
富津市 土橋 利貞
ちゃん付けで今も妻呼ぶ葱坊主
【評】最近の若い夫婦は、恋愛時代の呼び名でずーっと呼び合うようだ。「ちゃん」や「君」は当然になっているが、孫ができるようになると必然的に名前が呼ばれなくなるのが多い。この作者は「今も」と言うからには、ずーっと何十年も、そして死ぬ日まで「ちゃん」付けの名を呼んでいくのであろう。うらやましくもあり、また素晴らしいご夫婦である。
日報柳壇 平井吾風選
山武市 須藤彦兵衛
彼岸参り行くかやめるか千の風
【評】いま話題の千の風で「私はお墓にはいません」と言うフレーズがあるせいか、墓参りを本気でやめる人が増えたとか。歌の力の大きさにはいまさら驚く思いがする。作風としてもすなおにまとめられ好感が持てる。
日報歌壇 大島史洋選
千葉市 佐藤 展子
工事場に秋の日そそぎ活気あり数珠つなぎに待つミキサー車の列
【評】活気に満ちた工事場。建築現場でしょうか。なかなか迫力のある光景がうたわれています。
日報詩壇 中谷順子選
遥かなる寝太郎
富津市 平野きよはる
モンシロチョウが
飛んでいたのは
ずっと昔のきのうの事です
けさは 一晩寝たつもりが
三年寝太郎
三十年寝太郎
三百年も寝たろうか
今朝 庭に賑やかに 飛んでる
てふてふは
ブラックホールを
飛んで来た
太白星の
てふてふてふてふ
金色のチョウチョウです
【評】現実は夢か、夢こそ現実かと問う荘子の思想を背景にした詩。三年寝太郎伝説がうまく用いられています。本当に、てふてふ(蝶)の言葉には、異次元空間をなんなく超えるような、不思議な魔力がありますよね。
日報学生歌壇 下平武治選
柏市 斎藤 葉月
甥っ子と家の展示を見に行って母と間違われ一人落ち込む
【評】若い作者が母親と間違われた時のショック。言葉には言い表せないものがあったでしょう。結句に表現された言葉以上のものを感じ取れる歌です。
■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。