日報俳壇 篠崎青童選
八街市 緑川安英
精一杯生きて紅葉散りもせず
【評】御母堂の富田あきさんは103歳になられ、茂原市で健在という。日報俳壇の常連でもあったし、精一杯というより大満足の人生であろう。冬に入ってもまだ散らない紅葉のように、周囲を明るく照らす太陽のように、いつまでも頑張ってほしい。我々のお手本にしたい。
柏市 日下部哲好
菊日和杖が先ず降り母が降り
【評】菊の展覧会場であろうか。車が止まり、誰が降りるかと思ったら、ドアが開いたら杖が出てきた。そしておもむろに老婆が降りてきたという。運転してきたお子さんが介護して、会場へ案内するのだろう。この素敵な親子の光景を、俳句に仕上げた作者もまた、この菊日和のように爽やかな気持ちで、会場を巡ったのであろう。
日報柳壇 永藤我柳選
茂原市 福田研治
歩道から追われ車道に邪魔にされ
【評】自転車の通行区分で問題にされている。軽車両だから車道を走るのが基本ではあるが、高齢者とか妊婦さんのように弱者の人たちは必ずしもこの限りではない。いずれにしても事故防止のためには重要な事。作者は原句のどこにも自転車とは言っていないが、全体の潜みの中で巧く感じさせているあたりにウイットがある。
匝瑳市 八角広道
平成の願い無にする原子力
【評】平成という元号は文字通り平和を願っての事だったろう。だがこの原発事故での思いはそれが裏切られた。エネルギー政策ではいろいろあるが、作者もその辺をウガッての風刺だったと思う。
日報歌壇 大島史洋選
市原市 布施昌子
ついてきた影も老いたか背が丸い豆腐屋菓子屋消え一筋の道
【評】上句のちょっとしたユーモアが下句では寂しい光景へと転じています。豆腐屋も駄菓子屋も、今は本当に少なくなってしまいました。
君津市 豊蔵欣治
名も知らぬ庭の枯れ草抜きおれば赤いバイクの配達人来る
【評】日頃よく目にするひとこまが、しゃれた感じの一首としてうまくまとめられています。
日報詩壇 中谷順子選
笑顔
芝山町 郡司純一
笑う門には福来たる
笑顔に勝る宝なし
笑顔はいい
笑顔は全てを乗り越える
乗り越えるというよりも
すでに乗り越えているのだ
だから笑顔でいると
乗り越える必要なんて無い
明るい笑顔屈託ない笑顔
正直な笑顔無邪気な笑顔
吹き出してしまう笑顔
とめどなく溢れ出る笑顔
笑顔は万人が引寄せられる
神様も
笑顔には自然と甘くなる
心の紐もお金の紐も
ついつい緩め許してしまう
福笑いでお正月を
今年は笑顔を目標に
笑顔を見つけ歩んでいこう
【評】「神様の頬もほころぶ笑顔かな」新年を笑って祝いましょう。
日報学生歌壇 下平武治選
我孫子市 阿部ひとみ
ふるさとの天気は雪と聞くたびに一人雪掻く母の姿が
【評】天気予報でしょうか、ふるさとは雪と聞くたびに、一人家を守って雪掻きをしているお母さんの姿が思い出されるという。作者の出身地は雪の多い北国なのでしょう。お母さんへの温かい気持ちを感じる歌です。
習志野市 大川百恵
食べざかり食べてもすぐにお腹空く痩せたいけれども甘いの大好き
【評】高校生の乙女らしい素直な歌です。食べ盛りの若い作者は痩せたいけれども甘い物も大好きという。食べようか、痩せようかといつも心の中で葛藤を繰り返しながらいるのでしょう。
■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。メールでの投稿は受け付けておりません。