読者文芸

2011年1月1日


各壇の最優秀賞受賞者は2009年1年間の全投稿者の中から各選者が推薦し、昨年3月に千葉日報社の表彰を受けた方々です。

日報柳壇 平井吾風選

最優秀賞 日下部佐知子さん
徘徊の母につけたいブーメラン
看護せず遺産分けにはしゃしゃり出る
年金が肩腰膝に悲鳴あげ
加齢だと言われただけの三時間
ダイエット付き合う夫やせていく
エアロビの己が姿に汗をかき
新婚の頃は手料理時間かけ
禁煙は亭主最後のマニフェスト
医療費の控除に入れるエステ代
開国か鎖国で揺れるコシヒカリ

日報歌壇 大島史洋選

最優秀賞 若松三重子さん
乱菊はさし木の甲斐あり新玉に水引きかけた松と活けこむ
大輪の菊の香りは馥郁と雑煮の膳に年改まる
金柑を植えて六つとせ新玉の馳走の膳に飾りひきたつ
金柑はのどによしとてとろりと煮我が家の味と一人ほほえむ
千両も万両もともに紅玉の光り輝き新春を招く
キャンバスの広場に目をひく欅あり緑の翼に春を寿ぐ
キャンバスの中央にそびえる落葉樹銀杏紅葉と見事な配置
師の評が嬉しく友へコピーする折り返す声に深まる絆
新しく広々とした大通り感触よしと大気吸いこむ
古書祭り路上に屋台延々と押し合う人の目はせわしなく

日報詩壇 中谷順子選

最優秀賞 藤岡弘文さん
 私の春
春は多彩な表情をもっています
取り出す春です
納戸にあった箱を開けると樟脳の匂い
待ちくたびれた雛人形に光があたります
忍びよる春です
堤防に沿って顔を出すタンポポは
まだ自分の居場所に躊躇しています
うすら寒い春です
加減せず吹く風に水仙の花が
心細気にいやいやしています
本当の春です
燃え立つ陽炎に若い女のシルエットが
軽やかにワルツを踊っています
私の春です
気負わず、一息ついて
「淑気」身につけて歩き出します

日報学生歌壇 下平武治選

最優秀賞 池田美子さん
帰り道夜空を見ればオリオン座時を感じるまた冬が来た
実家から送られてきた柿ひと箱一人暮らしではなかなか減らぬ
クリスマス事前に準備プレゼントあなたの笑顔を思い浮かべて
毎年の恒例行事手袋の行方不明の相方探し
庭先をずんずん進む柴犬がシロクマみたい毛に雪付けて
大晦日友人と聞く除夜の鐘実家の家族はどうしてるかな
年々と減る一方の年賀状増える一方メールであけおめ
履歴書を眠い目こすり清書する身にしみてくる就職氷河期
寒空の木枯らしの中君を待つかじかんだ手も会えばあたたか
初雪に足跡つけてキシキシと少し子どもに戻れる時間

■投稿規定
▽俳句、川柳、短歌、学生短歌は、はがきに五句以内。詩は原稿用紙を使用▽はがきには、それぞれ「短歌」「学生短歌」「俳句」「川柳」と記入すること▽作品は毎月第2、第4日曜日の読者文芸欄に掲載します▽作品には投稿者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記のうえ、〒260-0013 千葉市中央区中央4-14-10 千葉日報社文化部読者係までお送りください。メールでの投稿は受け付けておりません。

読者文芸の記事全文は紙面をご覧ください。 千葉日報を購読する
  •  
  • 全 3 ページ中 1 ページ目
  • ››

千葉日報ご購読お申し込み

当ホームページの記事、画像などの無断転載を禁じます。すべての著作権は千葉日報社および情報提供者に帰属します。

Copyright (c) CHIBA NIPPO CO.,LTD. All rights reserved.