制度はマンモグラフィーのみ 必要に応じ超音波検査を 高濃度乳腺判定難しく 【見えない乳がん 千葉から考える検診制度】(中)

乳がんの検診制度や検査方法の特徴を解説する千葉県がんセンター乳腺外科の羽山晶子医師=10月、千葉市中央区
乳がんの検診制度や検査方法の特徴を解説する千葉県がんセンター乳腺外科の羽山晶子医師=10月、千葉市中央区

 「マンモグラフィー(乳房X線検査)では異常なしだったが、超音波検査で見つかった。どうして-」。千葉県がんセンター乳腺外科の羽山晶子医師は、そう話す患者に何度も向き合ってきた。

 日本では現在、国の指針に基づき、40歳以上の女性が2年に1度、マンモグラフィーを受けることが推奨されている。死亡率を減らす効果が科学的に証明されているためだ。ただ、乳腺が多い「高濃度乳腺」では乳房全体が白く写り、がんの影が重なって見つかりにくいことがある。

 羽山医師は「マンモグラフィーは見落としが少なく、早期乳がんの検出力も高い」と説明する。ただし、高濃度乳腺の人では判定が難しく「超音波検査を併用した方が発見率が上がることは確か。医療者として、可能であれば両方受けてほしい」と話す。

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 ではなぜ、超音波検査は国の検診制度に含まれないのか。羽山医師によると、背景には ・・・

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