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育て!ちばの若人 第2部 チャレンジャーの決意 12

現場重視の政治家目指す 松下政経塾 塾生 我孫子市 井桁 幹人さん(31)

2007年10月12日 本紙掲載

自らの計画を発表する井桁さん=9月9日、神奈川県茅ケ崎市の松下政経塾

 裸一貫から政治家を目指す若者が門をたたく松下政経塾(神奈川県茅ケ崎市)。県内でも民主党の野田佳彦衆院議員(49)=一期生=と長浜博行参院議員(48)=二期生=、自民党の松野博一衆院議員(45)=九期生=の三人が出身者だ。政治家の養成現場ではどんな教育が行われているのか、同塾二年生で我孫子市在住の井桁幹人さん(31)に聞いた。

  松下政経塾の「塾是」は「真に国家と国民を愛し、(中略)人類の繁栄幸福と世界の平和に貢献しよう」とあり、リーダーとしての人格養成を主眼に置いている。

  このため、井桁さんによると同塾では「政治に関することはぜんぜんやらない。行うのは掃除や剣道、茶道、宗教、孔子や孟子などの古典、塾主だった故・松下幸之助氏の思想」という。

  教育方針は現場主義で、漁船に乗っての漁業実習や松下電器の製造工場で三週間の工員実習なども行った。

  一九九〇年三月に卒塾した松野議員も「塾に入ってくる人間はいろいろ座学をやってきたはず。それよりも現地現場主義で体で学びなさいという指導法だった」と振り返る。

■自主自立の精神
  現在の養成期間は三年間。自主自立の精神から、二年生から自らカリキュラムを立てる。在宅で介護していた祖父の死を契機に、介護問題に強い関心を持つ井桁さんは、八月から地元で本格的に介護のボランティアを開始。将来は自ら介護事業者となり、現場の視点で現行法の不備を見いだす考えだ。

  松野議員は、「何のために政治家になるのか、志がなければ政治家をやってはいけないし、挑戦を恐れていては政治家になれない」と目標や精神力の重要性を強調する。

  その目的を達成する強靭(きょうじん)な精神力を養うため、塾では三浦半島を一周する百キロ行軍が名物になっている。

■広がる養成の場
  塾出身の現役国会議員は三十人を数え、いまや政治スクールの総本山的存在となっている松下政経塾。県内でも九二年には野田議員や長浜議員らが呼び掛け人となり千葉政経塾を、二〇〇五年には小川国彦元成田市長(74)が成田政経塾を立ち上げるなど政治家養成の場は増えつつある。

  ただ、一九七九年の松下政経塾設立当初は『国会議員になるには議員の息子が婿養子になるか、地方議員となり、上が引退するのをひたすら祈るか』と言われていた時代。二期生の長浜議員は「どうやったら国会議員になれるのか」というのが本音だった。

  長浜議員が当時「なぜ塾を創設したのか」と松下塾主に尋ねたところ「崩れゆく日本を救うためだ」と言われた。右肩上がりの成長を続けていた時代だけに、「不思議なことを言う人だ」と首をかしげたという。

  しかし、首相の突然の辞任劇など混迷する現在の政治状況をみれば「今は分かる。『真に国家と国民を愛する政治家』でなければ国民は不幸だ」と塾是の意義を強調する。

  「まずは地方から介護を変えたい」と県議を目指す井桁さん。長浜議員は「政治を自分が変えるんだという意識がないといけない」と後輩を激励した。(第2部おわり 千葉日報五十周年記念企画取材班・政治部=石井敏之が担当しました)

 ◇プロフィル…いげた・みきと 松下政経塾27期生。慶応大学附属志木高校、慶応大学法学部卒。

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